近所のスーパーに買い物に行ったとき、
3歳の息子が「これ、買いたい!」と言って持ってきたものがありました。
それは、凧。
日本では風の強くなる冬、しかも、お正月に凧を揚げる習慣があります。
お正月用にスーパーで売られていたポケモンの絵の凧が、
半額にディスカウントされ、ワゴンの中に入っていました。
それを、私の買い物に付き合って暇な息子が見つけて持ってきたのです。
「・・・え? 凧?
・・・広い場所に行かないと揚げられないし、たぶん、思ったように揚がらないし、
面白くないと思うよ。」
と説得したのですが、手から離さない彼の姿が可愛くて(!!)、
ダメもとで買ってやることにしたのです。
それで土曜日、みんなで浜松市内にある佐鳴湖(さなるこ)へ行きました。
浜松と言えば浜名湖が有名ですが、
市街地に近いのは小さな佐鳴湖のほうで、
湖の周りを取り囲む公園は市民の憩いの場になっています。
例のポケモンの凧がこれ。 ↓
幅が70センチくらい。
自称凧揚げ名人の夫が凧を揚げはじめると、
見事に空高く舞い上がりました。
うわ~ すごいね~ と家族みんなが拍手。
凧揚げって案外簡単にできるんだね~ と空を見上げたのです。
この凧に付いていた糸は35メートル。
35メートル揚がるのに1分もかからないのです。
と笑顔で彼にタコ糸の端をわたされると、
・・・ちょ、ちょっと待ってくれっ!
なんじゃ?この強烈な引きは!?
凧を持ったまま、私が飛ばされそうです。
ものすごい力で引っ張られ、まったくのんきな遊びじゃありません。
これ、タコ糸切れない?大丈夫なのっ?と慌てる私。
子どもたちはドン引きで、凧を持ちたいともいいませんでした。
それで、
考えてみれば、私は瀬戸内育ち。
広島市は温暖な地域で、ほとんど強風なんて吹きません。
小さい頃、お正月に父と凧揚げをしたことも幾度かありましたが、
走っても走っても凧は上に揚がらず、
凧揚げなんて何が面白いんだろう、と思っていたのです。
そうか、凧揚げは、こういう風の強い地域の遊びなんだ。
2、3回練習するうちに強風にあおられて凧の骨が折れ、
あえなく挫折。
子どもにとって、風が強すぎるというのも問題なのですね。
結局、湖のほとりで石や枯れ枝を集めて遊んでいました。
その代わり、凧揚げにハマッテしまったのが、この私です。
すぐに変わる風向きに応じて、凧の糸を引いたり緩めたりしているうちに、
自分があの凧のように風を受けて空に浮かんでいるような気持ちになってくるのです。
凧揚げって、スピード感のある遊び。
今になってそのことを知ったのでした。
頑張って片手で凧の糸を持ち、もう片方の手にカメラを持って撮った写真。
どうですか?
わたしは、空と自分がリアルにつながってるように思えて気に入ってます。
大空に翼を広げ風を受けて飛んでみたい。
でも、糸を切ってしまうのではなく、しっかりと大地に足を踏ん張って。
わたしはいま、そんな気分なのかもしれない。