私が浜松に引っ越してきた時、
生まれ育った広島市とはまったく違う習慣に出会って驚いたことがいくつかあります。
その一つが「餅投げ」あるいは「餅まき」と呼ばれる習慣です。
餅投げは木造住宅を建てるとき、
柱を組む「建前(たてまえ)」という作業が済むと行われます。
木造住宅において柱を組み合わせることは最も重要で、
大勢の大工さんが一日か二日で一気に仕上げます。
その大変な作業が無事済んだことを祝い、
「こんなに立派な家を建てています」という近所へのアピールのために、
大工さんや家主が屋根に上り、そこからお餅やお菓子をばら撒くのです。
餅投げの行事は、あらかじめ近所の人に知らされているため、
50人~100人くらいが集まり、下でお餅を拾います。
この餅投げの習慣は、広島で聞いたことがありません。
浜松でも、する人としない人がいます。
ちなみに、私が浜松に家を建てたときはしませんでした。
代々浜松に住んでいる家族がすることが多いのではないでしょうか?
浜松の近くにある愛知県でもこれに良く似た習慣があります。
特に結婚する時、本人たち以上にその親がお金を出し、
近所の人に「いかに豪華な結婚式をしたか」
を見せるためのパフォーマンスにお金を使う傾向があるのです。
例えば、ド派手なトラックに家具を積んで新居に引っ越したり、
結婚式や披露パーティで何度も衣装替えをしたりとか。
愛知県に近い浜松は、そういう習慣が似ているのかもしれません。
で、この日、拾ったお餅はこんな感じ。
5センチほどの小さなお餅が一つひとつ袋に入っています。
これらが上からバラバラと落ちてくるのをそのままキャッチしたり、
地面に落ちたのを拾います。
私は、お餅が一つ顔面に落ちてきて痛かった!
このお餅は専門店が作ったもので、とても美味しいからみんな必死。
たくさん採りたいし、なんかゲームみたいで面白いのです!!
普通の白いお餅とピンク色のお餅がありますね。
ピンクですが、こういう場合これは赤を意味します。
日本では赤と白の組み合わせが縁起がいいといわれているのです。
ちなみに、味は同じです。
これは「おひねり」といって、小銭を和紙で包んだものです。
和紙を開くと、中には五円玉が入っています。
日本語で「ごえん」は「良い出会い」という意味の「ご縁」と同じ発音なので、
こういうときには五円玉が使われることが多いのです。
餅投げの後、家族でスーパーに買い物に行って、
3歳の息子が買ってとおねだりしたのも偶然、紅白でした。
これは赤と白のタイヤキ。
鯛も日本では縁起の良い魚です。
それをかたちどり、中にあんこの入ったタイヤキは昔からあるお菓子です。
屋台で出来立てを売ってることもあるし、
家で食べる時もトースターで軽く焼くと香ばしくて美味しい。